坪単価80万以下の予算なんかじゃ建てない方が良いという死刑宣告

先日、注文住宅の予算は3千万円が目安って話を見かけてびっくりという記事を書いたのですが、更に刺激的な話を聞いてしまいました(みなけりゃいいのに...笑)

今度は、坪単価80万円以下しか掛けられない予算しかなければ、注文住宅は建てないほうが良いとの意見です。
と言っても、一般的な建物本体価格だけを対象とした坪単価ではなく、この80万円には家を住めるようにするための付帯工事価格を加えた前提だったので、いわゆる高級ハウスメーカーに比較すると、まだ良心的な金額帯だとは思います。

ハウスメーカーではなく、地域の優良工務店を上手に探せば、このぐらいの価格で高気密高断熱の快適な家が建てられるということなのですが、むしろローコスト住宅の予算しか持ち得なかったわが家にとっては死刑宣告です(苦笑)。

まぁ、何を言われてもわが家は引き返せません(笑)ですし、たぶん、この話を当時聞いていてもあまり行動は変わらなかったように思います。
実際に、建てた家にも、この家での生活にも十分満足していますので、色んな物差しがあるのかなぁと思ったりしています。

もしかしたらもっと先に思い知る機会が出てくる可能性もありますが、なるべくこのブログを長く続けてローコスト住宅の暮らしの実体を検証していければと思っています。

さて、といいつつ仮にわが家が今、坪80万円で家を建てようとしたらどうなっていたんだろうってなことも、あえて考えてみました。

比較_justitia-2597016_1920
あれ?なに計ってるんやったっけ?@S. Hermann & F. RichterによるPixabayからの画像



売地Aの例:約31坪の角地

まずは周辺の地域で当時と同じような感覚で選びそうな土地を探してみました。
ちょうどわが家の敷地に似た縦長の東南角地の土地が見つかりました。

01_約1800万円の土地_約31坪
縦長の形状は似ていますが、わが家の敷地は約40坪なので面積がかなり違います。
なかなか周辺の開発分譲地では、旗型でないかぎり40坪という物件はまず出てこないですね。
高すぎて買う人がいないか、30坪前後のほうがたくさん売れて儲かるんでしょうね。

条件は、こんな感じ。
土地面積:約31坪(南東角地)
価格:約1800万円
土地坪単価:約58万円

土地の予算的にもこれで当時のギリギリだったので、そもそも40坪クラスの土地が出ても手が出なかったと思います。

2012年の当時、検討していた1,880万円で32.47坪の北西角地の条件に少し似ています。

必要書類と買付証明の手付金

アチチホームで仲介と建築を依頼する気持ちが固まったのですが、以前銀行に相談していたときは、トゥエルブライフからの仲介と伝えていました。念のため変更になっても問題がないかどうかを、各銀行に確認してみました。実は、各銀行から土地に関する書類を色々送ってほしいと言われていたのですが、直後にトゥエルブライフから取り扱えなくなっていたので、ずっとちょっと待ってほしいと引き延ばしていました。ようやく、正式に書...



最近の感覚的には、建売業者が土地分譲を出している場合、当初もうちょっと上の金額で売り出されていて結局買い手が付かず、建売で出ていることもよく見かけます。
大抵、建売になったときの価格を見てみると、「えっ、あの土地価格から建物含めて、この金額の建売になるんだ」と金額が安いことに驚かされます。

そこで、似通った建売を探してみました。


建売Bの例:約32坪の南東角地と約30坪の建物

運良く同じ地域で似たような土地の建売物件が見つかりました。
02_約2900万円の建売_約32坪

こちらのほうが土地が約1坪広いですが、東南角地条件含めてかなり近いですね。
土地面積:約32坪(南東角地)
建物面積:約30坪
土地建物価格:約2900万円

前回も書いた通り、建売の価格は、その地域で買い手が付きやすい相場を表していると思うのですが、この地域ではなかなか4000万円を超える建売は見かけません。
ちょっと良い建売かなというもので、3500万円前後、先日近所で出ていた旗型土地の少し日当たりの心配があるパワービルダーの物件で2380万円という物件もありました。コロナの影響もあると思いますが、注文住宅の相場は上がっていると聞く割には、2012年当時と建売の価格帯はあまり変わってないように思います。
まぁ、買う人の収入が大きく改善するような景気でもなく、むしろ消費税増税(当時5%→現在10%)を考えると、やっぱりこのぐらいの価格帯にしなければならないのですかね。

それにしてもこの建売っていったいどのくらいで建物を建てているんでしょう?
かなり近い条件の土地だったので、比較して考えてみました。


建売の建物は約1000万円!?

早速比較してみた表がこちら。
05_売地と建売の価格
わが家が検討した当時、建売は500万円で建つなんて話も聞きましたが、この比較で見ると約1000万円相当かなと考えられます。
試算方法は、売地Aの坪単価から建売の土地価格を割り出し、差額を建物価格とする簡単な考え方です。
もちろん、売地の場合少し高めに利益を乗せているとか、むしろパワービルダーの場合、土地を相場より高く買って建物を安くしてトータルで利益を出しているとか、色んな話があるのでこのような試算は意味がないかもしれません。

でも、この土地がこの金額でないと買えないのは事実ですからねぇ。
実際、売地Aを買って注文住宅を建てるパターンと、建売Bを買う場合で比較することはありうると思います。

ということで、売地Aを購入して坪単価80万円で注文住宅を建てた場合も試算してみました。


おおせの通り建てるには1000万円以上UPの現実

建物は坪単価80万円だけでなく、比較として50万円の場合も考えてみました。2012年当時はわが家が検討しているようなローコストな工務店の建物だと坪45万円ぐらいの感覚でしたが、最近は建築費も高騰しているようなので50万円としてみています。(仕様も当時より良くなってますが)
06_坪80万円と坪50万円の場合
外構費用は、よく聞く建物価格の約10%で設定しています。
建売の場合内容はともかく外構費用も土地建物価格に含まれていますので、こちらも比較対象に含める必要があります。

当然とはいえ、2,900万円の建売住宅に対して、4,200万円になる坪80万円の注文住宅は金額差のインパクトが大きすぎますね。3,300万円の坪50万円の注文住宅の場合は、ちょっと頑張ればまだ手が届くかもと思えるので、天秤にかける対象になるのはわかると思います。

坪80万円の予算がない場合建てないほうがよいと言われると、建売しか選択肢がないの?となりますが、そう言われてもこれは難しいところです。そもそも、建売もやめとけという話かもしれませんが。
また、建売のほうが1坪土地が広くて更に安いというのは条件によっては魅力なので、無理に注文住宅にするより建売のほうがお得というケースも成り立つのかな?


まっしん家を今言う通りに建ててたら!?

では、まっしん家が万一、現在建てようとしていたとしたらどうするべきだったのでしょうか?当時の資金計画と比較して考えてみました。
外構費は、当時アスカに約45万円でやってもらった費用も含めて、土地建物全体で約3,270万円と試算していたのですが、樹脂デッキやDIYフェンスなども後から加えたので、その分も今回は合計してみています。

すると・・・こんな感じになりました。
07_まっしん家の比較
ぐはっ!坪80万円で建てたら、まさかの5000万円超えです(苦笑)
土地の価格を前述の相場単価に当てはめた影響もありますが、すごい金額です。
あらためて、わが家は時期的にも掘り出し物土地物件と出会えたことも、アコルデに建ててもらったことも幸運だったことを実感します。

坪50万円の場合でも、とても手が届かなかったですねー(笑)
坪80万円の場合との差額は、約1,709万円にもなるのですが、これもう一回建て直せちゃいます(汗)

今の所、「もう1000万円積んでおいたら良かったなぁ」と思うことは全く感じないほどの満足した暮らしができています。良い家の定義にも、色んな物差しがあると思いますが、こういう選択肢もあるということをローコスト住宅経験者としては発信しておきたいと思います。(もっと、先にならないとわからないよと言われるのだと思いますが)

ちなみに、わが家を前述の建売の土地32坪で比較するために、58.06万円×7.93坪=約460万円分を引くと・・・

3,320万円−460万円=2,860万円相当となりました。

やはり、わが家は建売相当価格だったようです(笑)

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まっしんはやぶさ
Posted by まっしんはやぶさ
投稿 2020年05月18日
最終更新 2022年02月26日

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